

当院は2009年、名取市や周辺地域のお子さんの健康を第一に開院いたしました。約30年にわたり、東北大学病院や仙台市立病院において高次医療や3次救急医療に携わってきた経験を生かして、地域の一次医療や予防医学に励んでいます。ロゴマークの「キリンの親子」のように、子供の健やかな成長を願う眼差しを大切にしています。
今日、科学的根拠に基づく医療の実践(EBM: Evidence-Based Medicine)が厳に求められています。幸い、来院される小児の多くは自然に治癒する傾向があるかぜ症候群や急性胃腸炎などであり、出来るだけ不要な検査や投薬(抗生剤など)は避け、子供に優しい適正な診療に努めています。一方で、医学の進歩に伴い、予防医学の一翼を担うワクチンが次々と登場しています。各ワクチンの有効性やリスクだけでなく、複雑化するワクチンの接種スケジュールを保護者の皆様に分かり易く説明し、接種率の向上、ひいては地域における集団免疫の強化(感染流行の防止)を目指しています。ワクチンにより予防や軽症化を図ることができる疾患はVPD(Vaccine Preventable Disease)と呼ばれますが、VPDから子供を守るためにも、定期接種や任意接種の別なく積極的なワクチン接種をお願いしています。
新型コロナウイルス感染症は社会に大きなインパクトをもたらしています。小児科は日常的に急性感染症を扱うため、以前より水痘やおたふくかぜ、インフルエンザなどを疑われる小児を含む一般診療と予防接種・乳児検診の場を分ける診療体制をとってきました。昨今、なお一層の対策を取り、感染拡大の防止に努めています。子供の健康は地域社会の願いです。